環境問題って、どこから始めればいいか分からない
事あるごとに私が「温暖化」「環境問題」と念仏のように唱えるので、これまで全く興味がなかった家族も最近では徐々に話を聞いてくれるようになってきました。
そんな時、お母さんからふと「農業をやっているから温暖化や環境汚染が問題なのはわかるけど、お母さんみたいな無知な人は実際どこから何を始めたらいいか分からへんわ〜。」「お肉食べることが温暖化につながっていることもあんたに言われて初めて知ったわ〜」と言われました。
なるほど、それもそうか。
私はアメリカの中でもリベラルな街、サンフランシスコに6年ほど住んでいたこともあって、環境問題は結構前々から意識していたので、20代の頃から情報収集も積極的にしてきたし、徐々に環境や体のために自分でできることを実践してきました。
もちろん完璧から程遠いし、今でも自分の生活スタイルで改善したいことは山積みです。日本にも、もっとハードコアに環境問題に取り組んでる人も沢山いらっしゃいます。
でも最近実家がある和歌山に戻ってきて、環境問題についてすでにもうみんな知っているだろうなと思っていたことが、意外に知られていないんだなぁと肌で感じています。
だから、一人でも多くの人に情報が行き届くといいなと思って、簡単に私が自分なりに実践していることをまとめてみました。
その1:動物性のものを食べない(または食べる量を減らす)
ズバリ。食って文化の一部でもあるし、人との繋がりを産むものだから、お肉を急に食べるのをやめるとか乳製品を全く食べないとか、「絶対無理っ!」と思う人も沢山いると思います。
でも私は減らすだけでも十分良いことだと思います。週7日間、動物性のもの(肉、魚、乳製品、卵)を一日に2〜3食べている1000人が1週間にたった1食分を植物性のみの食事にすることで、1000食分減らすことができるんです。それを2週間続ければ、2000食減らすことができる。私はいつも環境問題は「ちりも積もれば精神」が大切だと思っているので、こんな事を想像すると何故か希望が湧きます(笑)
環境系のポッドキャストを聞いたりや記事をよく読むのですが、動物性のものが入った食事を減らすことが最も手っ取り早く温暖化を止める方法と言われています。
すでに知っている人にとっては当たり前な内容かもしれないけど、うちのお母さんみたいにお肉と温暖化がどう結びついてるのか分からないという方のために、実は以下が主な理由なのです ↓↓↓
以下はCowspiracyというドキュメンタリーのホームページからの情報:
- 世界の畜産で排出される二酸化炭素 (CO2)は年間少なくとも 320 億トンほどで、すべての温室効果ガス排出量の 51% を占めている。
- 世界の畜産で排出される温室効果ガスは全体の18% を占めており、車は飛行機などからの全ての排気ガスを合わせた量よりも多い。
- 牛1匹から1日に排出されるメタンガスの量は250 ~ 500 リットル。世界にいる家畜の牛の数は15億匹ほど。
- メタンは二酸化炭素よりも25〜100倍ほど強力な温室効果がある。
お肉を食べないだけで、車の排気ガスを減らすよりも効果的だなんて、びっくりじゃないですか?
なぜテレビとかマスメディアでこれについてもっと触れないのか、とても不思議です。
畜産業はここにまとめた以外にも沢山の問題があります。
家畜の飼料を育てる土地を確保するために、先住民達が住むアマゾンの森を伐採したり、大量のお水を使用する故に水分の枯渇が進み、オーストラリアやカリフォルニアなどで大規模な山火事が発生したり、本当にここに書ききれないぐらい深ーい問題です。
畜産業と環境のことについてもっと勉強をしたい方は是非Netflixでカウスピラシーというドキュメンタリーを観てみてください。
もし環境に良いことをとりあえず一つに絞って実践するのであれば、お肉を減らすことが一番効率的かもしれません。
その2:家で使うもの、体につけるものを自然なものに
ドラッグストアなどでよく売られている洗剤(洗濯、食器用など)、シャンプーやリンスなどの主成分は石油由来だったり、人工的に調合された香料や化学物資だったりします。
また最近では殺菌や除菌作用が入ったものが沢山溢れています。
これらの成分は水と一緒に環境に流れていき、自然に分解されない、または分解されるのにかなりの年月がかかるものが大半です。
結果的にお水が汚れ、川や海の生態系が変わってきています。また、私たちの体内にも同様の毒素が入り込みます。
実家から歩いて5分ぐらいしたところに川が流れているのですが、周りに農薬を使う農地だったり、生活排水を流す住宅地もあるので、残念ながら私が小さい頃にはすでに泳げるようなレベルの水ではなかったです。
きっとこうした化学的物質を水に流し始める前、おじいちゃんやおばあちゃん達が子供だった頃はきっとこの川でも泳げてたんだろうなぁ。
環境だけではなく私たちの体にとっても有害なものが沢山含まれる生活用品は、なるべく自然由来のもの、自然分解されやすいものをを選んで、子供達が泳げる川を取り戻したいものです。
参考までに私が使っているもののリスト:
- 掃除用品→クエン酸、セスキソーダ、重曹、酸素系漂白剤、ホタテパウダー、エッセンシャルオイル (←これが揃っていれば、大抵のものは掃除できる!)
- 体につけるもの→手作りのハーバル・バーム、ココナッツオイルで作った歯磨きペースト、無添加の固形石鹸、シリコンや石油由来成分不使用のシャンプー
- 洗濯洗剤→酵素で洗う自然派の洗剤
- 食器用洗剤→コストコの生分解性の洗剤 (←プラスチックの容器が悩みの種なので、もっと計り売りの石鹸が買える場所が増えると嬉しいです。)
その3: プラスチック製のもの、使い捨てのものをなくす/減らす
家庭菜園を始めようと実家の畑の一部を借りて耕したところ、パラパラと劣化していくプラスチックのゴミが土の至る所から出てきました。
昔はプラスチックが環境に悪いということがあまり知られていなかったようで、なんでも畑に捨てていたみたいです。
プラスチックは一旦このように劣化して、細かくなってしまうと、それだけを取り除くのは本当に不可能です。今回の畑作りで身を持って体験しました。
このパラパラと粉々に劣化したプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれ、これが一旦川や海にでてしまうと生き物達の体の中に入ってしまい、環境のプラスチック汚染が進んでいきます。私たちが食べる魚の身の中にも実際プラスチックが入っているのだとか。
また日本はプラスチックの廃棄量世界第2位の国だそうです。アメリカに次いで堂々の2位!(いや、どちらかというと恥ずべき結果かな)国の規模や人口を考えると、世界1位といっても過言ではないですよね。日本は特に「過剰包装」が問題だと思います。
私も全然完璧ではないですが、私が実践していて、そんなにハードル高くなくプラスチックを少なくできるところをまとめてみました。
- スーパーの袋を断って、トートバッグを使う。私はトートバッグは洗って使えるようにコットン製のものを使っています。
- ペットボトルの飲み物は買わない。長時間出かけるときはあらかじめお水をボトルに入れて準備しておきます。
- なるべくガラスや缶など、リサイクルされやすい容器に入っているものを買う。瓶とプラスチックのオプションがある場合は少し高くても瓶を買ったりします。未来のためへの投資。
- 歯ブラシを竹製に変えてみる。これは初めて使う時、個人的にはワクワクしました!洗面所がスッキリ見えるのでお勧めです。
- 買い物をする時、自分がそのアイテムを使わなくなった時、どのようなゴミになるのか一度考えてみる。
その4: ユーズド・古着を買う
もともと服は沢山持っている方ではないけど、環境問題を真剣に考え始める前までは、H&M、Zara、GapやUNIQLOでお買い物をすることもしばしばありました。
Trash is for Tossersというアメリカのゼロウェイストに関するブログを読んでいたら、テキスタイルやファッション業界(特にファストファッション)から出るゴミの量に触れていて、洋服はなるべく古着を買おうと思いました。
最近、もう少しきちんとファストファッションの裏側を勉強をしようと「ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償」というドキュメンタリーをNetflixでみました。
ぜひ皆さんにも映画を見て欲しいのですが… 簡単にファッション業界の問題点をまとめると、大きく以下の点が挙げられます。
- 様々な産業が機械化する中、洋服を作る工程は未だに人間の手に頼らざるを得ない。
- 商品の生産コストを下げるために、ファストファッションの大手企業は人件費、施設や材料にかかるコストをどんどん削る。
- 受注を請け負う国や地域には、労働者の安全や人権を守るための法律が整っていない。
- 縫製を請け負う労働者は劣悪な環境と労働条件のもと、身を危険に晒しながら働かなければいけない。
- ファストファッションではシーズンに関係なく、週ごとのペースで次々に新しいデザインの洋服が作られる
- 一枚あたりの価格が安いため、消費者は必要以上の洋服を買うようになり、洋服の使い捨て化が進んでいる。
- テキスタイルを作るためのコットンは遺伝子組み換えの種から育ったものが多く、生産過程で除草剤も大量に使用されている。
- インドでコットンを作る農家やその地域に住む人はコットン生産に使用される大量の農薬によって健康が脅かされている。
- テキスタイルを染色する地域でも、使用される化学物質が水源を汚染し、奇形児や持病持ちの子供が多くいる。
など、私たちが何気なく1000円や2000円で買っている洋服には、こうした背景があるのです。
映画に出てきたインド、バングラデッシュ、カンボジアなどの労働者の様子を見ると、心が痛みます。
私たち消費者は、自分たちが買うもののがどのようにして作られたのか、何が原材料なのか、どういう会社が作っているのか、学ぶ必要があると、改めて思いました。
「現実を知らなかった」という一言で済まされてはいけない真実だと思います。
ということで、私が洋服に関して心掛けていることをざっとまとめてみました。根本的な解決にはならないかもしれませんが、できるところから始めようという気持ちです。
- 洋服はなるべく古着屋さんやフリマアプリなどで買う。
- 必要なもの以上買わないようにする(断捨離等をして今持っている服を見直す。)
- リメイク、補修をして、長く着れるようにする
- 長く着られるデザインのものを買う。3年後、5年後も着れるものか想像してみる。(一時的な流行に流されない、普遍的なものを)
- オーガニックコットンや天然染料等の選択肢がある場合はそちらを選ぶ
- フェアトレードの選択肢がある場合はそちらを選ぶ
環境問題の解決:一人一人の力と完璧を求めない姿勢
私もはっきり言って完全に環境に負担をかけない生活をしているかというと、全くそうでもないです。
プラスチックに包まれたお野菜買っちゃうし、amazonや楽天で買い物もするし、車も運転します。
きっと私みたいな人は世の中に沢山いるはず。
でもここで「もうどうにもならないし、別にやらなくてもいいか」という気持ちにみんながなってしまうと、何も変化は起こっていかないのです。
ガンジーも”Be the change you want to see in the world.” と言っていたように、世界に起こさないといけない変化は一人、一人がまずその変化そのものなることを実践しなければいけないと思います。
完璧でなくても良いから、小さなことから始めて、周りに共感してくれる仲間が生まれて、そこからまた連鎖反応を生み出すのが大切だなぁと思っています。
今日、あなたが始められることからやってみませんか?
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