ヴィーガンの大事なお話①:ビタミンB12

ヴィーガンの大事なお話①:ビタミンB12

そもそもビタミンB12とは?

ヴィーガンの食事は、肉食に比べて栄養が足りないという一般的な考え方がとても根強いです。私も最初はそう思っていたし、「お肉を食べればスタミナがつく」という神話をどこかで信じていました。

でも色々と栄養のことや体の仕組みを学ぶにつれて、果たしてそうなのかな?と疑問を持つようになりました。

ヴィーガン生活を始めるにしても、きちんと栄養と体の関係性は知っておかなければいけません。

そこで、今回はよく肉食の人に比べて、ヴィーガンの人に足りないとされている「ビタミンB12」に焦点を当てて、実際に体内でどのような働きをするのか、私が健康に関する情報源として絶大的な信頼をおいているMedical Mediumや、ポッドキャストで、詳細を調べてみました。

ビタミンB12の主な働き:

  • 肝細胞同士の情報伝達を助ける
  • 肝臓の中の神経細胞を守る
  • 肝細胞を強化させる
  • 肝臓の血管の萎縮を防ぐ
  • 脳と中枢神経系を守る
  • 脳細胞を治癒する電解質を含む

なんだか複雑に見えますが、要はビタミンB12は脳と肝臓を守るための絶対不可欠な栄養素の一つです。ビタミンCなどに比べて馴染みのない栄養素ですが、実際ビタミンB12がないと、私たちは生きていけません。

ほぼ全員がビタミンB12不足

Medical Medium (メディカル・ミディアム)の著者、アンソニー・ウィリアムさんの話によると、現代人はほぼみんなビタミンB12不足のようです。

血液検査でビタミン B12の数値が正常で、一見するとビタミンB12が十分に体内にあるように見えても、実際にそれが必要な臓器に届いて吸収されているということではないので、血液検査の結果はあまり当てにならないようです。

その理由は…このまま記事を読み進んでいただければ分かってもらえると思います!

ビタミンB12はお肉からくる栄養素ではない

一般的にはビタミンB12は主に動物性の食べ物に含まれているとされています。牛、豚、鶏肉、レバー、魚、卵、乳製品など豊富に含まれ、レバーなどを食べるとビタミンB12を多く摂取できるという考えが広く受け入れられています。

ただし、Medical Mediumのポッドキャストの情報によると、「動物性の食べ物からは人間の体が吸収できるビタミンB12は摂取できない」ということでした。この「人間が吸収できる」という部分が今回の非常に重要なポイントです。

では動物性の食べ物からビタミンB12が摂取できないとしたら、どの食べ物から摂れるのでしょうか?

ビタミンB12は微生物に由来している

ビタミンB12は実は野菜、果物、野草、ハーブの表面にいる無数の微生物に由来しています。この人間の目に見えない微生物が植物を食べて糞し、それを私たち人間や動物の肝臓が処理をすることで体内でビタミンB12が生成されるのです。

ただし、一旦肝臓での処理を通して生成されたビタミンB12はその動物にしか吸収できないものになります。例えば、牛が牧草を食べて、微生物がその体内に入り、牛の肝臓で生成されたビタミンB12は牛の体でしか吸収できないものなのです。

なので、牛のお肉や肝臓にあるビタミンB12を人間が食べたとしても、人間の肝臓はそのビタミンB12をさらに使い回しすることはできません。微生物(の糞)→ビタミンB12へのサイクルは1回しか起こり得ないのです。

アンソニー・ウィリアムさんによると、この微生物は土の中に住んでいる種類とは異なり、果物や野菜の表面にしかいないそうです。葉っぱや実の表面などに付着していて、地上より高いところに生息していることからアンソニーさんによって Elevated Biotics(高いところに住むバイオティクス)と名付けられています。

ヴィーガン食でビタミンB12が摂取できていないはウソ

Photo by Kellen Riggin on Unsplash

前述にあるように一般的にお肉にビタミンB12が多いとされているのは、その動物の肝臓がすでに処理をしたビタミンB12の値が検知されているからであって、人間が吸収できるビタミンB12が含まれているという意味ではありません。

他の動物の体内で生成されたビタミンB12が人間の体内に入っても、人間の体が吸収できるものではないので、最終的には尿として排出されてしまうのです。血液検査で検知される動物由来のビタミンB12は尿に排出されるまでに血液中を漂っているものなので、血液検査ではビタミンB12が十分に摂れているか、または不足しているかという判断の参考にならないということになります。

さらには、野菜、果物などの表面についている微生物がビタミンB12の生成の素にになるのであれば、ヴィーガンであっても十分にビタミンB12に摂取(生成)することが可能です。

ただし、十分な量の生の野菜や果物を摂取する必要があるので、ヴィーガンであっても調理・加工されたものばかりを食べている場合は、ビタミン B12不足になってしまうので、注意が必要です。

肝臓とビタミンB12の関係

野菜や果物の表面に付着している微生物は一旦体内に入ると、小腸と大腸の間にある回腸に身を潜ませます。体内の条件が整っていれば、長期間に渡って体内で生き続けることができるようです。この微生物は植物を餌としていて、人間が野菜が果物を食べると、腸内で微生物がさらにその野菜や果物を食べ、栄養素の分解を進めます。

そこで出てきた糞がビタミンB12の補酵素(コエンザイム)となります。この補酵素が私たちの肝臓で処理されることで初めて、人間の体が吸収できるビタミンB12が生成されるのです。

なので、ビタミンB12は肝臓がきちんと働いていないと生成することができません。

また肝臓で生成されたビタミンB12 は大部分は他の臓器や細胞に行き渡っていきますが、一部は肝臓内に緊急時のバックアップとして保存されます。

常々から体に有益な微生物が付着した自然な食事を摂ることが理想的ですが、現在のようにインスタント食品や、食品添加物が沢山入った不自然な食事が多くなり、必要な生きた栄養素が体に長期間入ってこない場合、肝臓はバックアップ用に保存しているビタミンB12を使うことになります。

ビタミンB12を摂り入れる方法

ここまでビタミンB12が生成されるプロセスを説明してきましたが、では具体的なビタミンB12の効果的な取り入れ方についてお話をしましょう。

最も効果的にビタミンB12を摂り入れる方法は、ズバリ、家庭菜園や信頼できる農家さんによって無農薬、無化学肥料で育てられた野菜や果物を、表面だけをささっと洗い、生で加熱せずに食べるということです。家庭菜園を始めるのが難しくても、プランターなどでも良いので、ハーブやレタスなどサラダに入れる野菜を作って、そのままいただくだけで生きた栄養素を摂り入れることができます。

もしプランターでも野菜作りが難しい場合は、キッチンカウンター上でスプラトを育てることで、同様の微生物を摂り入れることができます。固定種の安全なタネが手に入る「野口のタネ」のオンラインショップで、スプラウトの種を買ってみるのも良いかもしれません。

動物愛護の観点から、ヴィーガンとして蜂蜜を食べない人が多いようですが、蜂蜜はお花の花粉を集めたもので、とても栄養価が高い食べ物です。非加熱の蜂蜜にも人間の体が吸収しやすいB12の補酵素が沢山含まれていて、脳に良いとされています。

また肝臓で生成されたビタミンB12はグルコースに結合して血液を通して、体全体の細胞に届けれらます。果物やお芋などグルコースが豊富な食べ物を摂り入れることで、ビタミンB12をきちんと体内に行き届かせることも大切です。

サプリでビタミンB12を摂る時の注意点

ビタミンB12に限らず、サプリメントを選ぶ際は最新の注意が必要です。

私自身も、昔は薬局に売ってる数百円のマルチビタミン等を買って飲んでいた事があるのですが、薬と異なり、サプリには製品や原材料に対する規制があまりないので、その安全性や質には大きなばらつきがあります。

場合によっては、量増しのための混ぜ物が多く含まれ、体に良いどころか、かえって体に負担をかけてしまうサプリもあるそうです。例えば、保存料、MSG(グルタミン酸ナトリウム)、アルコール、クエン酸等が混ざっているものは避け、無駄な混ぜ物が入っていない、純度が高いものを選ぶようにしましょう。

厳密にいうとビタミンB12は体内で生成されるので、サプリとして摂取するのはビタミンB12自体ではなく、B12の生成に必要な補酵素です。サプリを選ぶ際ですが、必ずメチルコバラミンとアデノシルコバラミンという2つのB12の補酵素(コエンザイム)が含まれている必要があります。メチルコバラミンは目、耳、心臓、神経系、副腎に、アデノシルコバラミンは、中枢神経系、副腎、肝臓、膵臓、内分泌系に働きかけます。役割が違う2つの補酵素が揃っている事が大切です。

私はメディカル・メディアムが推奨しているブランド、Vimergyの液体状のビタミンB12を買うようにしています。日本国内での販売はまだ始まっておらず、アメリカから取り寄せになるので決して安くはないですが、質のことを考えると、安いサプリを沢山買ってお金を無駄にするよりは良いかなっと思って、少しずつ摂り入れるようにしています。

でもやっぱり最終的に一番体に良いのは、生でいただく無農薬のお野菜やフルーツだと思います!

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